店舗の売上を拡大する、効果的なデータ活用マーケティング

魅力的な品揃えをしているお店、安くて美味しい料理を提供している飲食店、焼き立ての美味しいパン工房、なぜか思うように売上が伸びません。どうすれば良いのか?という悩み抱えた経営者の方が、多いのではないでしょうか?やるべき事はいくつか考えられます。

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店舗の売上を拡大する、効果的なデータ活用マーケティング

1. 来て欲しいお客様を明確化しましょう

貴方のお店のコアユーザーはどんな人でしょうか?そのお客様の顔が目に浮かぶくらい絞り込んでみましょう。たとえば、30才代の幼稚園から小学校低学年の子供がいる主婦、世帯年収600万円程度、マンション暮らし、子育てに多くの時間を割き、自分のお洒落や、やりたい事は後回し。料理には強い興味を持っていて、家族の健康を一番に考える。こんな女性をターゲットにすると、イメージが明確になります。このようにターゲットを絞り込んでいくやり方をペルソナと言います。

2. ターゲットとなるお客様の興味を喚起する店舗コンセプトを打ち出しましょう

次にターゲットにどんな情報を伝えるとお店に足を運んでくれるかを考えます。子育て中の若い主婦の興味は、食の安全、お買い得感、新鮮さ、外国野菜などの珍しい食材やスパイス、子供が好きなものの品揃えなどでしょうか。

このお店に来れば、希望の商品がある。買い物が楽しい。というイメージを持ってもらう事が大切です。具体的には、格安なお肉の大型パックがある事、御菓子類の品揃えが豊富である事、産地にこだわった新鮮な野菜がある事、産直の魚介類がある事、人気の輸入食材の品揃えが充実している事などが考えられます。

また小さな子供を連れてお買い物をする主婦にとっては、ベビーカーが通りやすい通路等も重要な要素ですし、車で来店する高齢者にとっては、駐車場の出入りが楽、駐車しやすいなどにも強いニーズがあります。

しかし、すべてをかなえるという事では無く、他店に比べて明らかな違いがある特徴に絞り、お店のコンセプトを1本に絞って、その事をお客様に明確に伝えるようにしましょう。

3. ターゲットとなるお客様に、貴店の情報をしっかり届けましょう

お客様が求める店舗コンセプトが明確になっても、その情報が手元に届かなければ、来店してくれません。大切な事は、ターゲットとなるお客様によって、情報の入手手段が異なるという事です。

まず思いつくのがチラシの配布です。しかし、チラシは大量に配布する必要があるので費用が大きくなってしまいます。ホームページやLINE、フェイスブック、インスタグラム等のSNSの活用もあるでしょう。

さらに一度来てくれたお客様を囲い込む為のポイントカードの導入も考えられます。

さらに口コミ、商品によってはダイレクトメール、情報誌の記事広告等も有効です。これらの様々な販促活動をターゲットに合わせて組み合わせて実施する必要があります。

4. 立地環境をしっかり分析し、有利不利を理解して店舗戦略を組み立てていますか?

ここでは店舗活性化に最も有効な手段と言われるチラシ配布についてポイントをお伝えします。チラシの場合、如何に少ないコストで、効果を上げるかが重要になります。たとえば、食品スーパーの場合近隣地域全体にチラシを配布しようとすると、地域にもよりますが1回に20万枚位必要になります。しかし本当にすべての地域にチラシを配布する必要があるのでしょうか?地域をしっかり分析する事で、最低限必要な数の配布で効果を上げる事ができるのです。本来チラシはエリアを絞って複数回撒く方が効果的です。

上の図の赤い部分が一番多くのお客様が来店しているエリアで、1次商圏と言います。
その次が青いエリアでここを2次商圏と言います。
黄色い部分がその次で3次商圏と言います。
白やグレーの部分はあまりお客様が来店していないエリアになります。

この図を見ると、お店から近いのに3次商圏になっているエリアがあったり、周りは2次商圏、3次商圏なのに商圏外になっているエリアがあったりします。

そこでその理由を調べると、たとえば競合店の存在があったり、戸建集落とマンションが多い地域の違いで、住んでいる人のタイプが異なったり、幹線道路や川がある事による商圏の分断があったりする事が分かります。

このように地域特有の特徴を調べて、必要なエリアにチラシを配布します。
チラシの内容も居住者のタイプに合わせたものを配布する事で効果が上がります。どのエリアからのお客様が多いのかは、ポイントカードや実施したアンケートのお客様情報から分析します。

また右の表は、e-statを使って近隣地区の町丁目別人口構成を調べたものです。
e-statを使うと、上記のような男女別や増加率の他、5歳刻みの人口構成まで調べられるので、たとえば若い世代がどのエリアに多いのか、子供が多いエリアがどこなのか等が分かります。

e-statは国のデータベースで、どなたでも登録すれば無料で使えます。このように商圏分析とe-statのデータを重ね合わせる事で地域の特長が明確になり、チラシを配布すべきエリアを特定できます。また少ない枚数を同じエリアに複数回配布する事で、販促効果が高まります。
店舗の集客や売上向上でお悩みの経営者の皆様、お気軽に弊社にご相談下さい。専門家が丁寧にサポート致し貴店の活性化を実現致します。
e-stat 政府統計の総合窓口

この記事を書いた人

稲田 裕司Yuji Inada

自動車メーカー出身。平成6年からコンサルタントとして活動。コンサルティング会社取締役を経て独立。マインズコンサルティング代表取締役就任。経営戦略、マーケティング戦略、販路開拓、新事業構築等を専門領域とする。中小企業基盤整備機構アドバイザー、中小企業大学校中小企業診断士養成課程講師等を20年以上に渡り担当、大手から中小企業まで幅広くコンサルティングを手掛ける。

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